初コイ@進行中

恋愛(ピュア)

風音/著
初コイ@進行中
作品番号
1682249
最終更新
2024/04/20
総文字数
358,872
ページ数
730ページ
ステータス
完結
PV数
60,087
いいね数
6




そっと、優しく

そしてほんのり温かく…



新しく命を吹き込まれたシャボン玉は

虹色に光り輝き

歪だった形を球体になるように形を整ながら

ただただ風に身を任せ……

吹き込まれた力の勢いで宙へと高く舞った







空高く泳ぎ始めたシャボン玉は

太陽の光で輝きを保ち続け


透き通った姿で虹色に輝き


立ちはだかる数々の障害を乗り越え…


次々と命が吹き込まれたシャボン玉と共に

風に揺られていった








……ところが

空高く舞っていたはずのシャボン玉は

時間と共に力を失い次々と弾け出し


隣り合わせだったシャボン玉の泡と泡が

お互い勢いよくぶつかり合って重なった時





脆く…

儚く……

僅かな音すら立てずに弾いて消え去った





ストローから命が吹き込まれたシャボン玉は

映し出していた瞳の中で

揺られるように

ゆっくりかすみながら徐々に滲んでいき…


カッと熱くなった目頭と共に

すっかり歪んで見えなくなった






力を失い弾けて消え去ってゆくシャボン玉は、

まるで彼と出会ったあの日から今日までの

私の人生を物語っているかのよう




瞳に映しているシャボン玉が

跡形もなく消え去ってしまった瞬間


彼を失い空虚感に襲われている自分の姿と重なり…

とても切なく深い悲しみに包まれた







会いたい

明日、もし彼に会えるのなら……

今日よりもっと強くなれるのに







でも……

長い歳月と共にいつしか忘れてしまった





恋に焦がれた彼の香り

そう、恋の香りを……







奇しくもその懐かしい香りが

高二になった私の鼻をかすめ


その香りが

ずっと探し求めていた彼の香りだと確信した時





目の前に突きつけられた現実と

向き合わなければいけなくなり…





親友

家族

幼馴染

元彼




多種多様なハードルが

現実に直面したばかりの私に立ちはだかり


彼の香りを忘れてしまった代償を

一気に払う事になった



※この物語はフィクションです。
あらすじ
高校二年生の愛里紗の家に泊まりに来た親友 咲は、小学校の卒業アルバムを見て愛里紗の元彼 翔が自分の好きな人だと判明する。愛里紗と翔は家庭の事情で離れ離れになっていた。咲は愛里紗の想いを知りながら翔に三度目の告白をして恋人になる。だが、翔自身も愛里紗が忘れられず前途多難に。そんな最中、愛里紗は中学生の頃の元彼 理玖と再会。次第に二人の距離は近付いていくが、愛里紗はふとした拍子で翔に辿り着いてしまう。

目次

この作品のレビュー

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この作品の感想ノート

風音様


はじめまして。突然の書き込み失礼します。作品拝読させて頂きました。


咲の噂を流していた女子生徒(1組の三人組)、その後はどうなったのでしょうか?
もし機会がありましたら「番外編」として読んでみたいのでご検討して頂ければ幸いです。

私個人として、その後の彼女たちは自業自得、因果応報といった「何かしらの報い」を受けていて、現在は幸せとは言えない状況にいると思っています…(もし不快になられたら大変申し訳ありません)。


書き込みお邪魔しました。

2023/07/07 08:31

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