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「…でね。この前、彼と一緒に街を歩いていたら、いかにもやり手キャリアウーマン風の女性が彼に『君はモデルに向いてるよ。ちょっと時間ある?』なんて言われてて、いきなり名刺を出してきたの。もー、ビックリしちゃったよ」

「うわぁ、凄いね。咲の彼氏ってよっぽどのイケメンなんだね」


「…うん。ちょっと無愛想なんだけど、私にはもったいないくらい素敵な人」



今日も彼氏の事で頭がいっぱいの咲は、晴天下で屋上ランチ中に彼氏の自慢話。
太陽の光を燦々と浴びているお陰か、より一層笑顔が輝かしく思える。

気分を弾ませて話をするもんだから、聞いてる側も幸福度が伝わってくる。



三年間想い続けた人と付き合えるなんて羨ましい。
告白が断られてもくじけずに何度もアタックをして、辛い時期を乗り越えた後に恋が実ったから苦労した甲斐があったね。




でも、話の内容からして彼氏がモデル並みのイケメンという事までは分かったんだど…。
毎日話を聞かされても情報量が少なくてどんな人なのかさっぱりイメージが湧かない。

咲があまりにもイケメンだと繰り返すから、一度でいいからこの目で見てみたいな。