「キレイ………。でも、どうしてプレゼントに万華鏡を選んだの?」



クルクル回して万華鏡の中を眺めながら理由を問い尋ねると、咲は答えた。



「誕生日プレゼントを何にしようかと思ってお店で悩んでいた時、ちょうどこの万華鏡が目に入ったの。この万華鏡が愛里紗のキラキラ輝いてる笑顔っぽくて…。だから、プレゼントするなら、これだなって思ったの」



この万華鏡がキラキラ輝いてる笑顔っぽい?

そうかな……。
自分じゃ自分の姿は見えないから分からないけど、咲は私の笑顔をそう思ってくれてるんだね。
ちょっと照れ臭いな。



愛里紗は万華鏡から目を離すと、感謝を込めて伝えた。



「プレゼントも嬉しいけど、咲がそう思ってくれてる事の方が嬉しいよ。本当にありがとう」

「私も愛里紗に喜んでもらえて嬉しい。十七歳おめでとう!」


「咲からもらったプレゼントも大事だけど、私には咲が一生の宝物だよ」







ーー今日、私は二つの誕生日プレゼントを貰った。


理玖と咲。
それぞれ私の大事な友達から。

勿論、プレゼントは嬉しかったけど、友達というお金では買えないほどの価値がある存在に感謝をした。

十七回目の誕生日が、自分にとって最高で幸せな思い出深い一日となった。