先導するノグ。
そして、今にも逃げ出しそうなほど動揺している咲。
二人は上下線の階段に挟まれた駅構内のカフェに入る。



店内は窓側に並ぶカウンター席と、二人がけのテーブル席が十二席。
昼時という事もあって、サラリーマンやOLや学生などの客が入り混じり満席に近い。



ノグと咲はレジでそれぞれ紅茶をオーダー。
カウンターから紅茶を受け取り、空いたばかりの席に座った。



二人が腰を落ち着かせると、ノグはまるで事情聴取を始めるかのように正面に座る咲の目を真っ直ぐ見つめる。

一方の咲は、後ろめたい気持ちに押し固められてしまって目線を合わす事が出来ない。