ーー朝、愛里紗がいつも通りの時間に塾に到着すると…。



「ミズキちゃん、サクラちゃん、今日もマジかわいい!」

「クスクス。理玖くんったらホントに上手なんだからぁ」

「ねぇねぇ。今日は私の隣の席に座ってよぉ」


「よぉーし、今日は特別にミズキちゃんの隣に座っちゃおうかな。……あれ?サクラちゃん、リップの色変えた?そのオレンジ系のリップは俺好みかも」

「やだ〜。理玖くんったら、サクラの事好きなんじゃないの〜?」

「えーっ!私のリップの色は?私の唇をよく見てぇ」



理玖は今日も可愛い女子二人に囲まれてデレデレと鼻の下を伸ばしている。



…ったく、この男は朝っぱらから恥ずかしげもなく調子に乗って。
友達が増えたのはわかるけど、可愛い女の子ばっかじゃん。

一体、塾に何しに来てるかわかんないし。