遠目から見る限りでは意外にも楽しそうな様子だったから、きっと奴とは上手くいってるんだろうな。




理玖…。
そうだった。

咲ちゃんから親友の話を聞いた時は、たしか親友の彼氏がそんな名前だった気がしたし、愛里紗も奴をそう呼んでいたようにも聞こえた。



紺のブレザーに、エンジの色のネクタイに、グリーンの渋いチェックのあの制服は《英神高校》か。
制服が人気で有名校だからすぐわかった。


奴自身の性格はともかく…。
学校の偏差値はさほど低くないから、頭は悪くなさそうだ。





奴の高校が判明した事だし、今度二人きりで会って話を聞いてみようかな。
今日は初見だったし、さすがに第一印象で全て決め付けてはいけない。
きっと、奴には俺が知らない魅力があるに違いない。

……でないと、愛里紗が付き合う訳がないよな。




理玖。
お前がどんな奴か知りたい。
愛里紗を大事にしてるか。
泣かせてないか…。

それだけでも本人に聞かないと、俺自身が納得しない。




さっきは軽薄な姿を見て気持ちは若干逆撫でされたけど…。
奴と笑い合っている姿を思い返したら、彼女が幸せならそれでいいかなと思ったりもした。


俺は愛里紗の幸せを一番に願っているから…。