「ノグちゃん……」



咲はノグと目が合うと咄嗟反応で組んでいる翔の腕をパッと離し、バツが悪そうに俯く。

動揺した表情は隠せぬまま。
一週間ぶりのデートで、浮かれ気分だった自分はもういない。



咲はノグに翔とのツーショット姿を目撃された瞬間から、ひた隠しにしていた真実と向き合わなければならなくなった。

一方の翔は、咲の反応でハッと気付く。



「もしかして…、二人は知り合いなの?」



愛里紗に繋がる伝が生まれた瞬間、咲は黙って瞼を伏せる。
ノグは咲の不自然な様子に引っ掛かりを感じていた。



いつしか狂い始めてしまった運命は、再び糸でくくりつけられていくかのように、自分達の知らないどこかで動き始めていた。