それにしても、さっきから胸がムカムカしたり、身震いしそうなくらい不安に襲われてるこの気持ちは一体何なんだろう。



…嫉妬?
そう、きっとこの感情は嫉妬に違いない。
平常心が奪われてしまっている。



嫌だ…。
私もミクに負けないくらい谷崎くんが好き。
ミクに取られたくないよ。

これからもずっと谷崎くんの隣で笑い合いたいよ。
谷崎くんの笑顔をいつも独り占めしたい…。



愛里紗は好きだという気持ちに気付きつつも、まだ何も出来ていない自分にやるせなさを感じていた。

気持ちに限界を迎えると、いてもたってもいられなくなり、トイレに駆け込み個室にこもる。



すぅっと息を吸うと、瞳から熱い大粒の涙が次々と溢れ出した。
手の甲で拭っても拭っても、涙は滝のように溢れ出て止まらない。


感情が抑えきれなくなると、鼻をすすらぬようにして声をかき消し、周りの人に気づかれぬように心配かけぬようにと、トイレの個室の中で静かに泣いた。