ーー翌日。
昨日のテスト結果の成績順でクラスが決まり、塾の受付で自分のクラスが伝えられた。
「ヤバイ、一番下のクラスだ…」
まるで漬物石が乗っかったような重い足取りで伝えられた教室に入ると…。
既に転々と着席している4〜5人程度の生徒の中に、奇しくも理玖の姿があった。
元彼とはいえ、イケメンをひと目で探す癖はそろそろやめた方がいいかもしれないね。
だけど、彼は中学の頃から比べると格段にイケメンレベルが上がっている。
服装も個性的でオシャレだから、目が行くのも無理はない。
愛里紗が教室に入ると、入室に気付いた理玖は席を立って愛里紗の目の前に行き、半分嫌味を込めて言った。
「やっぱりな。俺はお前と同じクラスだと思ったよ。……バカだな、俺とお前」
「『やっぱりな』じゃないでしょ…。失礼ね」
理玖は指をさしてケタケタと笑い、愛里紗は眉をひそめてプーッとホッペを膨らませた。
思い出した。
中学生の頃はいつもこんな風にふざけていた。
塾に入る前は、知り合いがいるかどうかわからなくて不安でいっぱいだったけど……。
良かった。
理玖と同じクラスで。
昨日、理玖が二人の間の壁を取り払ってくれたお陰で気持ちは楽になっていた。
シーンとした教室内で昔話に花を咲かせると、思い出に浸りながらバカみたいにはしゃいでいた。