彼がおにぎりを食べ終えてから、私達はいつものように神社へ向かった。
やっぱり初めて入る家はよそよそしく感じて少し居心地が悪かった。
神社ではいつものように鯉に餌をあげたり、かくれんぼをしたり、手でセミを捕まえたり。
一緒に遊んでいるうちに彼は笑顔を取り戻してくれた。
やがて日が落ち始めたので、私達は神社で解散する事に。
「じゃあ私、そろそろ帰るね」
「今日は本当にありがとう。お前が握ったおにぎり、嬉かったよ」
「ううん。またね!」
家路に向かう私に笑顔で手を振る彼は、昼間に会った時とは違って少し元気になったように見えた。
「明日も神社に行こうね!約束!」
「約束!」
夕日を浴びながら別れた私達は、明日神社に行く約束を交わしてそれぞれ帰宅の途についた。