三人組は咲をかばい始めた愛里紗に嫌気がさした目を向けて、トイレからの去り際に順番で暴言を吐きながら交互に自分の肩を愛里紗の肩に叩きつけた。
「何?ムキになっちゃってバカじゃない?バイバーイ」
ドンッ…
「キモっ……。やってらんねぇ」
ドンッ…
「青春じゃん。あー、ごっつぁんでしたぁ」
ドンッ…
三人組に無情な態度で肩を叩きつけられた愛里紗。
一人やりきれない気持ちと戦いながら、スカートをギュッと握りしめて涙を滴らせる。
ーーだが、次の瞬間。
「愛里紗………」
三人組の足音が消えた後、背後からスっと姿を現した咲はか細い声で名を呼んだ。
咲は廊下を歩いていた時に偶然トイレの方から三人組と愛里紗のやり取りが聞こえてきたので、足を止めて最後まで静かに見届けていた。
三人組にぶつけていた愛里紗の気持ちは、咲の耳と心でしっかり受け止められている。