そして三度目…。
卒業してからも、やっぱり諦める事が出来なかった。


楽しく笑って過ごしていても。
時には家庭の事情で辛い事があっても。


毎日毎日。
一日も休む事なく。
心の中に住み続けている翔くんを思い出してしまう。




春が訪れて、私達はそれぞれ違う高校へ入学。

翔くんへの思いが断ち切れずに勇気を出して三度目の告白を決意。
愛里紗の家には告白の相談をするつもりで泊まりに行った。



でも、ちょうどその日。
愛里紗の家で小学校の卒業アルバムに写っている幼い彼の写真を偶然にも見つけてしまい、そこで知ってしまった。

愛里紗が翔くんへ抱いていた恋心と、翔くんの忘れられない人が愛里紗だという事を……。




愛里紗の想い知った途端、正直焦った。
そして、二人の事を考えているうちに気付いてしまった。

頭の片隅で愛里紗を想い続けている翔くんと、翔くんとの思い出を大事にしている愛里紗が、もし何かのきっかけで再会してしまったら…。



だから、余計に彼の心を繋ぎ止めたかった。



でも、いざ交際をスタートさせても、彼の心の中で愛里紗の存在が生き続けているせいか、私を彼女として見てくれていない。

キスどころかハグもしない。
それ以前に手をつなごうともしない。

恋人として空回りしている結果が、卑屈な想いを生み出してしまった。