初めての休み時間を迎えると、転校生の私の机周りには女子達が物珍しそうな表情で次々と集まってきた。



「江東さん…だったよね。どこから来たの?」

「このクラスはアダ名で呼ぶ事が流行ってるんだよ」

「愛里紗ちゃんだから、あーりんって言うあだ名はどう?」



このように、皆が私に興味が湧かせてくれたお陰で少しずつ打ち解けた。

正直嬉しかった。
まだ友達はいないし、新しい物づくしで心細かったから。



「あーりんでいいよ。よろしくね!」



満面の笑みで新しい仲間に返事をした愛里紗は、和やかな歓迎ムードに包まれた。



良かった。
クラスの雰囲気が良さそうだし、一年間新しい仲間と仲良く過ごせそう。



愛里紗は不安が払拭されると、これから始まる新生活に期待に胸を弾ませた。