ーー二年生に進学してから二度目の通知表を受け取った、十二月下旬。
愛里紗と会話を交わさなくなってから、およそ三週間が経過。
隙を見て何度も謝ろうとしたけど、彼女は一向に聞く耳を持ってくれない。
でも、私が彼女の立場だとしてもきっと許さないと思う。
だから、毎日が苦しい。
あの日に犯した罪は重く、多大なる後悔へと誘った。
明後日は、恋人達が特別な一日を過ごすクリスマスイブ。
聖なる夜を大好きな彼と二人きりで過ごすのが幼い頃からの夢だった。
夕方からの勤務を終えた。
同日シフトに入っている翔くんは、交際してから初めて私を外へと呼び出す。
でも、残念な事に恋人の私とクリスマスの予定を立てる為に呼び寄せたような雰囲気ではない。
ーー今月上旬。
翔くんは愛里紗と衝撃の再会を果たした。
すると、あの日から態度は一変。
ううん……。
正しくは、八月下旬にノグちゃんと会ったあの日から変わってしまった。
本当は気付いてた。
私は自分が傷付かぬように見て見ぬ振りをしていただけ。
翔くんは長年愛里紗だけを一途に想い続けていた。
ノグちゃんと再会したあの日から、翔くんの頭の中は愛里紗一色に。
恋人の私の事なんて一切見えていない。
最初は寄り添っていくうちに新しい感情が芽生えていくんじゃないかって期待してたけど……。
私達の関係は良くなるどころか、翔くんと愛里紗が再会したあの日を境に悪化の一途を辿っていた。