ベランダの物置の鍵を開けて数年ぶりに扉の中に入った。

朝と言えども物置内は暗くひっそりとしていて中の様子が伺えない。
だから、外から差し込む太陽光が照明代わりになっている。



四畳ほどの広い物置の中で見回すと、スチール棚に積み重なっている箱や、キャンプ用品や、父のゴルフ用品や、昔よく遊んだスケボーの上には、経年によりあちらこちら埃が被っている。


父が物置に入った所を数回程度しか見た事ないし、私も引っ越してきた初年度以来入っていない。
放置状態からして母も物置から遠退いてる様子。



マスクが必要だったかな。

お母さん…。
家の中の掃除ばかりしてないで、たまには物置の中も掃除してよね。



腰に手を当てて呆れるように軽くため息をつく。



引越し当初から使用している物置。
実は深い思い出があった。