再会してからのこの八ヶ月間は、理玖の努力の塊だった。
理玖は再び動き出した二人の時間を、ありったけの想いをその都度万遍なく伝えるように努めてきた。
だからこそ、心にズレが生じ始めた私の気持ちはとうに見透かされていた。
残念ながら、私自身が理玖に知らず知らずと別れの覚悟を決めさせてしまっていた。
それに、別れを決意した理玖の言葉は、私が想像していたものとはだいぶかけ離れている。
『別れたくない』と頑なに引き止めると思っていたけど、まさか首を縦に振るなんてこれっぽっちも思っていなかった。
その上、別れ話の方向へ暴走を始めた私を責める言葉なんて一つもない。
最後のひと時でさえ自分の気持ちは後回しに。
理玖、バカだよ……。
本当に。
私、いま理玖をフッたんだよ。
いまこの瞬間からもう恋人じゃないんだよ。
あんなにいっぱい愛してもらったのに、最後は『愛せなかった』なんて、残酷な言葉を伝えてしまった。
昔から私だけを一途に愛してくれたのに、中学卒業後と同様、最後は受け入れなかったんだよ。
いっぱい愛してくれて。
いっぱい信じてくれて。
辛くて嫌な事があっても、歯を食いしばって一人で我慢していて。
私を想うばかりに、素知らぬふりをしながら気持ちを押し殺したりして。