咲はクラスページの個人写真を目で追いながら、その当時を振り返って語る愛里紗に言った。



「小さい頃はどんな子だったの?」

「……えっと、…私はね」



愛里紗は昔話に花を咲かせると、ついつい夢中になって小学生時代の思い出を語り始めた。



特に印象に残っていたのは、六年生の時に彼氏だった初恋相手の谷崎くん。
彼とは学校が終わってからほぼ毎日一緒に過ごしていた。


一目惚れから発展した甘くてほろ苦いチョコレートのような恋。


小学六年生の時に転校してきたから同じ小学校には一年間しか通っていなかったけど、きっとあの当時が一生に一度の大恋愛だった。

連絡が途絶えて会えなくなってしまったけど、高二になった今でも彼との思い出は胸に深く刻まれている。