無我夢中で彼の背中に腕を回しつつも、ふと理性が働く。
翔くんは咲の彼氏で。
私は理玖の彼女。
今はお互いそれぞれ別の人の大切な存在。
それなのに、当時の記憶が掘り起こされてしまったかのように狂心している。
わかってる…。
ただ一つボタンを掛け違えてしまっただけ。
冷静に考えると、親友の彼氏の胸の中に飛び込むなんてあり得ない。
咲に裏切られたと知った時は悔しかったけど、自分も同じように咲を裏切ってる。
最低。
どうかしてる。
私はいつからこんな汚い人間になってしまったんだろう。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…