楽しかった遊園地デート。
いっぱい乗り物に乗った。
理玖が選ぶのは絶叫系ばかりだったから、怖くてずっと叫んでいたから喉がカラカラ。
お化け屋敷は怖くて最後に泣いた。
そしたら、理玖が頭をヨシヨシしてくれた。
一本のコーラを飲み合い、二人で分け合ったポテトはたまに奪い合い。
でも、子供のように「あーん」って口を開けて待ってたら、ポテトをつまんだ理玖が口に入れてくれて食べさせてくれたからおあいこかな。
今日は理玖のお陰でいっぱい笑った。
最近お目見えしてなかった理玖の可愛らしいえくぼも沢山見れた。
現実を忘れたかのように夢中になって遊べたお陰で、湿っぽかった気分も一掃できた。
閉園の時間になり、一斉に大勢の人が門に向かって歩き、流れに乗っていて遊び疲れた私達も次第に口数が減る。
「荷物貸して。持ってやるから」
「いいよ。これくらい自分で持てるよ」
「お前の手は今から忙しくなるから、この荷物は俺が持つって」
「えっ……。私の手?全然忙しくないよ」
理玖は愛里紗の荷物をヒョイと持ち上げると、遠慮がちにしていた手に自分の指を絡めた。
「ほぉら、忙しくなった」
恋人つなぎの手。
彼の指先からは温もりが伝わってくる。
隣から見上げると、理玖は今日一日が本当に楽しかったみたいで、上機嫌に鼻歌を歌っている。
「あー、本当に楽しかった」
「理玖は一日中楽しそうだったね」
なんて、互いに笑顔を向け合い、何気無い会話をしながら家路へと向かった。