ーー場所は、街の中心部から一本奥の道の角にある、路地裏の雑貨屋に併設されている小さなカフェ。

ハンドメイド風の可愛らしい雑貨が入り口の陳列棚に並んでいて、奥に進むとカフェスペースになっている。
狭い一本道に面していて、小さな店内は多くの客で賑わっていた。



ノグは急遽友人と別れて、数年ぶりに会った翔と咲と三人で話し合う為にカフェに入り、二人と向かい合わせに着席する。

久々に会った翔は背がグンと伸びて大人びていたが、小学生だった当時の面影は残ったまま。

だから、巨大交差点でもすぐに見つける事が出来た。




翔は懐かしむように、遠い目でノグを見つめている。
一方の咲は、不都合な展開に見舞われてしまい、口を閉じたままテーブルに目線を当てる。

ノグは咲の様子を気にしながらも、久々に再会した翔を目に映すなり目頭を熱くさせた。