咲は朝から恋する乙女でかわいい。
長年夢見ていた幸せを掴み取ったお陰か、身体中から幸せオーラが滲み出ている。



口を開けば彼氏の話。
告白話はもう三回聞いた。
咲になりすまして語れちゃうくらい、頭にインプットしている。



泊りに来た時に髪のセットをお願いしたのは、私に気合いを入れて欲しかったのかな。
こんな私でも少しだけ恋のお手伝いが出来たのかもしれないね。




いいな……。
恋をするとキレイになれるって、噂だと思っていたけどホントなんだね。

普段は何気なく見ている空の色や太陽の日差しだって、いつになく輝かしく見えたりするのかな。



「愛里紗も早く彼氏が出来るといいね!」

「私は別に…」



咲はいま幸せ絶頂期だから、ひとり者の私に幸せのおすそ分けをしたがっている。

でも、気持ちは分からなくもない。
咲は私にも幸せになって欲しいと願っている。



新しい彼氏に咲を取られた感じでちょっとヤキモチ妬いてるけど……。
実は小学生の頃に交際していた彼氏だけじゃなくて、中学生の頃にも交際していた彼がいた。