ジェットコースターに乗ってる最中、恐怖で喉が枯れるくらいギャーギャーと騒ぎまくったけど、隣でしきりに笑っていた理玖の頭は果たして無事だったのだろうか。
ジェットコースターに乗ってる最中、異常なくらい笑ってたもんね。
何だかんだ強がり言っても、実は怖かったのかもしれないね。
何とか無事にジェットコースターを乗り終えて、頬がこけるくらいゲッソリしながらも達成感はあったが、残念ながら私達が乗った乗り物は、まだたった一つ。
腕時計をチラ見しても、遊園地に到着してからまだ30分も経っていない。
大袈裟かもしれないけど、今の一瞬でもう一生分の勇気を使っちゃったかもしれない。
なんて思いながら、ガクガクと頼りなくもつれた足で近くのベンチに向かって歩き、腰を下ろそうとしてベンチの背にお尻を向けた瞬間……。
理玖はムッと眉間にシワを寄せて私の手を引いた。
「まだ休まない」
「えっ……」
「俺はお前から遊園地に誘われたんだ。昨日からワクワクして眠れないくらい楽しみにしてたから、ちゃんとこの責任を取ってね」
絶叫マシンだけじゃ満足しきれていない理玖は不服そうにそう言うと、愛里紗の手を取り歩き出した。