そっか…、忘れてた。
理玖には咲の話をしていないし、咲にも理玖の話をしてなかった。
お互い初対面だから、知らないのは当たり前だよね。



愛里紗は急遽足を引き止めてしまった理玖に咲を紹介する。



「彼女は同じ高校に通っている親友の咲。今日は誕生日のお祝いをしに来てくれたの」



手振りを加えながら紹介し終えると、理玖は愛想良くニコリと微笑んでお調子者の姿へ変貌する。



「へーっ!咲ちゃんて言うんだ。めっちゃかわいい!俺のタイプ」



マジマジと咲の顔を見回す理玖の姿は、最近塾で見せてくれたチャラい姿とそう変わらない。
咲はそんな理玖に苦笑いをする。



はぁ、また始まった…。
何となく予想はしていたけど、やっぱりいつものチャラ癖が出ちゃったね。