「…やだなぁ、冗談キツイよ。……またいつもの他の子にも好き好き言ってるやつでしょ」
告白を間に受けている自分を切り離すように
肩に置いている手を解こうとしたけど、彼は手を解かれぬように力を加えた。
「逃げんな。それがお前の悪い所」
「…ごめん」
彼は稀に見るほど真剣な眼差し。
至って冷静で話の主導権を握る。
「勘違いしてるようだけど……。冗談でも他の女に好きって言った事がないし」
理玖は誤解を生ませぬようにきっぱりと言いきる。
愛里紗は、理玖が他の女子に向かって『カワイイ』とか『優しい』とか何度も呪文を唱えるように吐き出していたから、素直に気持ちを受け取る事が出来ない。
「俺の初恋なんだ。…お前は」
「……私が、初恋相手?」
聞き返すと、彼は間髪入れずに小さくコクンと頷く。