しきりに背中を向けたままの彼。
心にしがみつくように腕をグイグイと引っ張っても、振り向く素振りを見せない。



「ねぇ…、翔くん。……嫌だよ。別れなんて受け入れられない」

「……」



逼迫した表情を向けても。
泣きそうに声を震わせても。
力を込めて何度も腕を引いても。


彼は、ただただ黙って背中を向けるだけ。
別れ言葉を口にしている今だって、私自身と向き合おうとしない。



断絶拒否する私と…。
固い決心をしている翔くん。

話し合いにケリが付かぬままお互い黙り込む。


私達の関係はとっくに崩壊しているけど、私は自分の気持ちを守り抜く為に彼の気持ちに気付かぬフリをした。