愛里紗は教室に到着すると、咲は頬を赤く染めながら駆け寄って来た。



「愛里紗、おはよ!昨日、彼がね…」



一組の女子に悪い噂を立てられてる事実を知らない咲は、初デート話を幸せそうに報告してきた。


まるで世の中の幸せを両手いっぱいにかき集めたかのように、目をキラキラと輝かせている。
きっと、私が想像していたよりも何十倍何百倍も幸せなひと時を過ごしたのだろう。



「そんなに自慢ばかりすると、咲の彼にヤキモチ妬いちゃう!」

「あははっ、愛里紗の事だって負けないくらい大好きだよ。愛里紗の良い所は人一倍お人好しで優しいところ。そんな愛里紗が…ぜーんぶ、ぜーんぶ大好きなんだもん!」


「ありがとね……。照れちゃうなぁ」

「えへへっ」



咲を彼氏に取られた感じで子供みたいにヤキモチ妬いちゃったけど…。
彼女は今日もいつもと変わらず親友の私を大切にしてくれる。