目を寄せて見てみると、そこにはいま指に絡めているピンクのイルカのストラップの片割れのブルーのイルカのストラップが。

彼のストラップを目にしたのは、ストラップをプレゼントしてくれた日以来のこと。

彼は左手を差し出してこう言った。



「お前のストラップをちょっと貸してごらん」


私はストラップを指から外して手渡すと、彼はブルーとピンクの二つのイルカの口と尾の部分をくっつけ合わせた。

すると、イルカの腹の部分にあたる空洞がハートの形に。



「この二つのイルカは今の俺達みたいだな」

「うん!」



イルカの腹の空洞部分に太陽の光が差し込んだら、ハートの形が地面に映し出された。
地面に小さなハートが創り出されると、私達は顔を見合せてくすっと笑った。





ーーこうして、私達は小学六年生から始まった九年に渡る長い長い波乱の恋の旅を終えた。


心の天気が晴れの日も、くもりの日も、雨の日も、雪の日もあったけど、失敗や苦難を乗り越えて大切な人達に支えてもらいながら、今という未来に辿り着いた。


運命の波にさらわれて二人の間に大きな壁が立ちはだかり、様々な障害を乗り越えながら少しずつ大人になった。



私達はどんなに遠く離れていても、お互いを想い続けている。

この思い出の神社で出会ったあの日、あの瞬間から。


ずっと…、ずっと……。