ずっとマークしていた一組の三人組からの悪口は注意したあの日以来聞かなくなったし、二度に渡って止めるように伝えたから、少しは収まっていたと思っていたのに、どうしてお願いを聞き入れてくれないのかな。



我慢の限界を迎えた愛里紗は、三人組の方へ乗り込もうとして階段側に一歩身を乗り出した。

だが、咲は二歩目の足を踏み出そうとしている愛里紗の異変を察知すると、右腕を掴んで足を引き止めた。



「待って、何しに行くつもりなの?」

「決まってるでしょ。あの子達のところに行って、咲の悪口をやめるように伝えに行くんだよ」


「そんな事しなくていい。あの子達なら放っておけばいいよ。私なら気にしないから」

「だって、言いたい放題でムカつくじゃん。咲の悪口なんて耐えられないし、絶対許せない!」



咲は三人組の方に立ち向かおうとしてる愛里紗にこれ以上迷惑をかけたくないと思って、行かぬように懇願した。