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ガバッ……


「理玖!……やめて!」



ーーある日の朝。

叫び声と共に心臓をバクバクさせながらベッドから勢いよく飛び起きると…。

そこには、いつもと何一つ変わらない風景が待ち受けていた。



そう……。
ここは、小学六年生から五年半以上に渡って毎日生活している自宅の部屋のベッドの上。




一瞬、脳裏を駆け巡ったあるシーンが夢か現実か区別がつかなくなり、眠りの世界から現実に引き戻されるように目が覚めた。

激しく波打つ胸の鼓動は収まりを見せずに、動揺している心を苦しめている。



「はぁっ……はぁっ……はぁっ……」



興奮が収まらずに呼吸が乱れる。
胸の中央に右拳を当てて、軽く俯きながら心を落ち着かせるように自己暗示をかける。