理玖の話にひと区切りつくと、咲は手荷物のカバンの隣に置いてある小さな紙袋を手に取って両手でハイと差し出した。



「誕生日おめでとう!これは私からのプレゼント」

「嬉しいーっ!ありがとう。今年のプレゼントは何かな?」



咲は去年も同じように家に泊まりに来てプレゼントを手渡してくれた。
受け取ったばかりの紙袋の中を覗くと、手の大きさくらいの箱が入っている。



プレゼントに期待しながら箱を開けてみると…。
中には、ピンクやオレンジなど暖色系のラインストーンでデコレーションされている、見た事のないほど豪華な万華鏡が入っていた。



「うわ〜、万華鏡なんて懐かしい!」

「早速中を覗いて見てみて。キラキラしてキレイだよ」



咲の言う通り、光が入るように万華鏡を斜め上に傾け、中を覗いて時計回りに回してみると、ラメやビーズやスパンコールが沢山入っていて、内側の鏡に反射してキラキラと輝いていた。