ーー理玖から告白された週の土曜日。
場所は、レースカーテンの隙間から朝日が差し込んでいる愛里紗の部屋。
愛里紗はベッドに寝転び、遠くから聞こえる掃除機の音が耳に入りながらも理玖の言葉を一つ一つ思い返していた。
『好きだ。昔も今もお前の事が……』
特にこの言葉が胸に響いた。
卒業してからもずっと私を思い続けていてくれたなんて……。
正直に言うと、今は気持ちが不透明で谷崎くんに恋をしていた時のようにこれが恋だと確信出来る段階じゃない。
告白は嬉しかったし、理玖の気持ちは充分に伝わっている。
それに、昔感じてたような気まずさは排除されてるし、理玖と一緒にいると楽しい。
本音で言えば交際を断る理由がない。
でも、元彼とまた付き合うとなるとハードルが上がる。
ここ数ヶ月間は友達として接していたけど、次は恋人としてのステップを踏む。
また同じような過ちを犯してしまうのではないかと思ったりもする。