愛里紗は学校から帰宅している最中、ミクの話を何度も思い返していた。
家に到着してから部屋に荷物を置き、ダイニングに向かって母が用意した昼食に手をかける。



ところが……。
グゥッと鳴るくらいお腹が空いていたのに、何故かご飯が喉元を通らない。
上履きの件が解決して肩の荷が下りたという事もあるけど、理由はそれだけではなさそうだ。



ミクが私にヤキモチを妬いて上履きを隠した事や、谷崎くんが私にしか笑いかけないという事。

それに、誰から見ても谷崎くんは私が好き……?



さっきは刺激を受けてしまったせいか、以前と同様頭の中がグチャグチャしてきた。

いや、違う…。
頭の中は一向に整理がつかないけど、ミクに谷崎くんを奪われてしまうと焦っていたあの時とは明らかに違う。




あの時よりも物事が少しずつ前進しているような気がした。

私が一方的に谷崎くんを想ってるだけじゃなくて、ひょっとしたら谷崎くんも私を想ってる可能性がある。




もしかして、告白のタイミングは今…かなぁ。



愛里紗は気持ちが高揚していくと、再び暴走してしまわぬようにノグとミキに告白の相談をする為に自宅へ呼び寄せた。