三人組は、思わぬライバル出現に気分が害されると、嫌悪感を露わにしながら腕組みをして五人組の前に立ちはだかり、見下げるようにライバル視をする。



「あのさぁ、クルちゃんを見つけたのは私達が先。後者のあなた達は優先順位を考えなさいよ」



翔と出会ってからまだ20分程度しか経っていない三人組のリーダー格の女は、五人組に向かって生意気な口を叩く。

だが、五人組は突っかかってくる彼女の身勝手な言動が癇に障ると、目から火花を散らした。



その瞬間、対立した二グループに欲望ゴングが鳴る。



「………はぁ?クルちゃんって、何?誰?」

「ウケる。優先順位って、何?誰が位置付けんの?」

「そんなルール誰が決めたの?」



五人組は冷ややかに鼻であしらい、少し小バカにしたような返答をする。

両者とも一歩も譲らず、その言葉にカチンときた三人組のリーダー格の女は、後の二人に冷静になるようにと肩を押さえられながら、前のめり気味に口を尖らせて言い放った。



「クルちゃんって誰って、見ればわかるでしょ。さっきのクルクル頭のイケメンに決まってるでしょ」



三人組のリーダー格の彼女は熱くなって早口でマジメに返答していたが、実際は失礼極まりない発言であり、場は微妙な空気に包まれた。

一方、知らぬ間にクルクル頭扱いされた翔は、校門から姿を消してからも噂話が途絶える事はなかった。