理玖の部屋は若干グレードアップしていたけど、中学生当時の物も沢山残っていてとても懐かしかった。
タイムマシンで中学生の頃に戻ったみたい。
キョロキョロと部屋を見回していると、机の上にキレイに並んでいるある雑誌が目につき、平然とした目つきで理玖の前で指をさした。
「ねぇ、それは?」
机の上にキレイに重ねてあったのは三冊ほど積み重なったエロ本。
しかも、愛読書だったのか端が少しボロボロに。
理玖は机の上に堂々と積み重なっているエロ本を見るなり、サーッと血の気を引かせて机にダイブ。
エロ本を鷲掴みにすると、愛里紗に見えぬようにサッと背中に隠した。
人ってピンチになったら飛べるんだね。
もう見ちゃったから手遅れなのにね。
ウケる。
愛里紗は目の色を変えて必死にエロ本を隠している理玖の姿がおかしく思い、吹き出しそうになった。
「おおおいっ……。母さん!マジ勘弁…」
年頃の男の子にはよくある光景だと聞いた事があったけど、そんなに焦るなんて見ちゃマズかったかな?
それから二人は、ローテーブルに向かい合わせに座り、塾の教材を広げて教わってもわからなかった箇所を互いに教え合った。