固い決心をしてきたけど、どうやって切り出したらいいかわからない。
「何から言ったらいいのか、分からないけど…」
「大事な話?」
理玖はすかさず問う。
「うん。大事な話」
「…わかった」
返事と共にお互いの目線を合わせた。
もう、逃げられないし。
目を離すことは出来ない。
だから、意を決して伝えた。
「理玖………、大好きだよ」
愛里紗がそう伝えると、理玖は驚いて目を丸くする。
何故なら交際を始めた日から今日まで愛里紗の口からの『好き』と言って貰える日を待ち望んでいたから。
「えっ……」
「……だけど、愛せなかった。…ごめん」
愛里紗はそう言うと、瞳に潤んだ涙を飲むように息を飲んだ。
こんな残酷な言葉を口にしたくなかったけど、いま別れの言葉を伝えなければならない。