理玖との恋路を選んだはずが、一度激しく地盤が緩んでしまったせいか、たまに狂ったようにオカシクなる。

軌道修正をしようと思いつつも、いつしか理玖と会わない理由を探し始めている自分に気付いて無性に腹が立った。





でも、恋心に気付いてしまったあの時からまだ日は浅いから、少し日が経てば落ち着きを取り戻せるのではないかとも思っている。

それは、レストランで数年ぶりに翔くんと再会した後と、神社に翔くんが現れた日の後に気持ちが一旦治っていたから。



以前と同じように理玖と上手く関係を続けていけば、いつかは翔くんを忘れる日が来るのかもしれない。
これから先、翔くんと顔を合わせなければ、もう二度と心が狂わされる事はないだろう。





ごめんね、理玖。

これからも理玖の彼女でいたいと思ってる。
そう遠くないいつか、必ず気持ちにケリをつけるから。
もうこれ以上辛い想いをさせないように努力するから。



だから。
たった一度だけでいいから。
ほんの少しだけでいいから。

一人で立ち止まる時間をちょうだい。