ーー今日は町内会の夏祭りの日。
場所は普段から谷崎くんと一緒に遊んでいる神社。
レースカーテン越しに見える夕日を浴びながら、母に手伝ってもらい金魚の模様の入った水色の浴衣に身を包んだ。
洗いたての長い髪は、母がかわいくおだんごに結ってラインストーン入りの新しいピンを髪に差してくれた。
お祭りの開始時刻が近づいたので、うちわを帯に挿して慣れない下駄に足を通す。
年に一度きりの夏祭りは、仲の良い友達二人と一緒に行く約束をしていた。
「やっほー、あーりん!浴衣かわいい〜」
「ミキもノグも負けていないじゃん!」
「イヒヒ」
私達三人は、学校では見慣れないお互いの浴衣姿を見て褒め合う。
普段、谷崎くんとばかり遊んでいたから、久々の女友達との外出に。
更に浴衣姿という事もあって不思議と新鮮な気持ちになった。