「へぇ、あの木村が。あいつ、なかなかやるじゃん!」
「うん…。幸せになりたいから過去の恋から早く卒業しないとね」
「大丈夫。木村なら咲を任せられるし、きっと幸せになれるよ…」
「…ありがと」
幸せを掴み取ろうとしている咲と、咲の新しい恋にエールを送った私は、涙で潤んだ目で微笑んだ。
私はずっと木村の恋を応援していたから、涙目のままハンバーガーを口にしたら不思議とハンバーガーからは涙の味がした。
「んっ…、美味しい。咲もハンバーガーが冷めないうちに食べなよ」
「うん……。いただきまーす」
トレーの上からハンバーガーを掴み取った咲の瞳からも涙が零れ落ちそうになっていた。
木村は純粋無垢な気持ちで咲を一途に愛してくれているから、二人の恋が成熟して欲しいと心から願ってる。