中二の初めての告白の時。

彼は『ごめん、忘れられない人がいるから』と言って告白を断った。


彼があの時に言っていた『忘れられない人』とは、恋する瞳でアルバムに写る幼き翔くんを見て思い懐かしんでいる愛里紗だと悟った。






言葉にならないくらいショックを受けたけど……。

固い決意は揺るぎない。






でも、この瞬間から焦っていた。
互いが忘れきれてない部分を持ち合わせているから、不意に再会してしまったら私に勝算はない。



だから、急遽予定を前倒しにして愛里紗に同じ髪型にして欲しいと頼んで、翌日に告白をしに行った。

同じ髪型を注文したのは、身なりだけでも愛里紗に近付けば少しは彼の気を引けると思ったから。
酷いと思うかもしれないけど、当時の自分はそれくらい切羽詰まっていた。