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「今日も家まで送ってくれてありがとう。あと、プレゼントも嬉しかったよ」
「おぅ。……じゃあ、また明日」
自宅の玄関まで送ってくれた理玖とそうやりとりして、理玖が玄関のドアノブに手をかけて帰ろうとしていると……。
愛里紗の帰宅を待ち構えていた咲は、二階からダダダダッと勢いよく階段を駆け下りてきた。
「ハッピーバースデー、愛里紗〜!」
ところが、愛里紗の向かいには見知らぬ男子が立っている。
彼はストローハットを被り、黒の個性的なポロシャツの下に、赤いチェックの膝丈のハーフパンツにサンダル姿と、いかにもチャラそうな容姿。
咲は予想外の展開に出くわし目をパチクリさせる。
一方の理玖は、歌いながら二階から出現した初対面の咲に驚くと、ドアノブから右手をスッと落とした。
お互いが同じタイミングでお互いを指さし、二人の目線が間にいる愛里紗へと向けられる。
「……誰?」
まるでお互いの声を揃えたかのようにシンクロしていた。