私に無関心気味な態度を取っていた事が無意識だと知った瞬間、更にショックを受けた。
翔くんの頭の中の私という存在が、うっすらしている事が判明したから。




私だって辛いんだよ。
いつも空っぽの翔くん。
身体は傍にいても、中身は知らない何処かにいる。

私達付き合ってる意味があるのかな。
時々わからなくなる。



愛里紗は理玖くんと交際を始めた初日にキスをしたのに、半年以上も交際している私達は未だにキスすらしてないなんて言えなかったよ。



手を繋ぐのはいつも私から。
デートだって一度も誘ってもらった事がない。

最初は手が届かない存在だったから、付き合ってくれるだけでも幸せだなって思ってた。
三度目の告白でようやく私の想いを受け止めてくれたから本当に嬉しかった。





でもね……。
人間って欲張りな生き物なんだよ。
我慢ばかりじゃいつか限界を迎える。



交際当初は長い目で見るつもりだった。

翔くんが辛い過去から抜け出せなくても、時間と共に身近な存在の私を受け入れてくれるだろうと思って期待してた。



でも、何も変わってない。

それどころか、ノグちゃんと再会した直後から私達の関係は友達以下になってる気がしてならないの。