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「理玖の学校はどう?楽しい?」
「………俺?大好きな愛里紗が学校にいないから、超寂しい…」
「もーっ!また調子のいいこと言って…」
夏期講習の延長線上で通い始めた塾は、始業式を迎えてから夜の時間帯に。
そして、今は塾からの帰り道。
同じく塾に通い始める事になった理玖と、二人で肩を並べて歩く。
徒歩圏内の塾からの家までの道のりは、歩道や車道を照らす街灯の数が少ない。
駅周辺はまだまだちらほらと人通りはあるが、一本先の道を行くと人の姿はパッタリ見えなくなる。
夜遅い時間帯の家までの道のりは、暗くて一人で歩くのは物騒だ。
理玖は暗い夜道を歩いて帰宅する愛里紗を気遣い、紳士的に家まで送り届けている。
理玖は昔から変わらず優しい。
その優しさは私だけじゃなく、みんなに平等。
それが、理玖。
それが、いいところ。
昔からそういう優しい面を知ってるから、理玖の心配りがちゃんと伝わっている。
塾の時間帯が遅くなったと同時にゆっくり会話する間もないから、送ってもらっている家までの距離で簡単な日常会話を交わす程度。
決して長話はしない。
夏期講習が始まる以前までは、元彼の理玖と劇的な再会をした上に、再び肩を並べて歩く日が訪れるなんて考えもしなかった。