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「ねーねー!誰だれ?さっきの茶髪の爽やか系イケメン君は?」
理玖の帰宅後に部屋に戻ると、咲からグイグイと質問攻めにあう。
「あぁ…、理玖ね。今まで話さなくてごめんね」
「名前は理玖くんっていうの?明るそうだし、オシャレだし、めちゃくちゃカッコイイじゃん!愛里紗にあんな素敵な人がいたなんて知らなかったよ。も〜、こんな大事な事をなんで早く言ってくれなかったの〜?」
咲がマシンガントークになるのも無理はない。
私は入学当初から浮いた話一つすら持って来ない恋少なき女なのだから。
「ええっと……。実は中学ん時に付き合ってた元カレなんだ。色々あって最近再会したばかり。今は同じ塾に通ってるの」
「えっ?!愛里紗はあんな超イケメンくんと付き合ってたの?」
「あはは、……うん。チャラくて本当にどうしようもないんだけどね」
「玄関先でちょっとしか会ってないから、よく分からないけど…。理玖くんって、明るくて人懐っこそうだったよ」
咲からは好印象のようだ。
理玖と再会した経緯は簡単に説明出来たけど、先ほど冗談でキスされそうになった話はとてもじゃないけど言えなかった。