翔は物怖じしない理玖の態度にイラついてワナワナと身を震わせ始めたが、三日前の件をスっと思い出した。
「しかも、この前は嫌がる愛里紗にキスを強要してただろ」
「は?……何の話?」
「しらばっくれんな!三日前だよ、三日前!UFOやお前の遺伝子がどうとかって、愛里紗と話してただろ」
「………え?…えぇっと…あ〜、アレか!…って、あんたあの時俺らの事を見てたの?」
「ちっ…違う!……あっ…あの時は、たまたま駅で二人を見かけて…」
「へぇ〜意外。覗きの趣味でもあるの?」
「ある訳ないだろ!お前は普段からあんな感じで愛里紗にキスを強要をしてんのか?」
「ふーん。たまたま見かけたにしては、会話をしっかり頭に叩き込んでるんだな。付き合ってんだから普通にキスくらいするだろ」
気持ちが逆撫でされて理玖のひと言ひと言にイラつく翔と。
怒りは頂点に達しつつも冷静沈着に意地悪を言う理玖。
若干温度差があるように見える両者の睨み合いは、しばらく続く。