ーー塾の実力診断テストは無事終了。
テストの出来具合は…。
開始前に集中力が欠けてしまったせいか、言うまでもない。
ペン先を滑らせていても、隣の理玖が気になっていて集中力が上がらなかった。
気まずいけどテスト中だから逃げれないし、テストが終わったら向こうから何か話しかけてきそうな気がしていた。
愛里紗はテストが終わった直後、まるで何事も無かったかのようにそそくさと帰ろうとして、荷物を持ち席を立つ。
だが、愛里紗の考えなどとうにお見通しな理玖は、逃すまいとして先回りして道を塞ぐと、冷ややかな目つきで見下ろした。
「また俺から逃げるの?」
「えっ……。い、いやだなぁ。そんな事ないよ」
しどろもどろと言い訳をする愛里紗の心中は既にお見通しだ。
理玖は愛里紗の手を取ると、強引に教室外へと連れ出した。
壁一枚挟んだ廊下で足を止めると、両腕を組んでふてくされたように口を尖らす。
「あのさぁ。この前も言ったけどそこが愛里紗の悪い所」
「えっ…」
「俺は久しぶりに会えて嬉しいのに、お前は俺から逃げてばかり」
「………」
さすが理玖。
元彼だから私の欠点をよく知っている。
私は理玖から逃げてばかり。
現実から目を背けてばかり。
愛里紗は理玖の鋭い指摘に思わず口を噤んだ。



