母の手作り料理やケーキやお菓子も食べ終わると、みんなは一段落する為に私の部屋に移動。

扉を開けた私に次いでミキとノグが部屋に入ると、二人は部屋を見渡し目を輝かせながら声を上げた。



「うわぁ〜。あーりんの部屋、女子力高いね!」

「かわいい!私もお姫様の気分を味わえるような部屋に住みたいなぁ」



母親の趣味で壁紙は薄ピンクに花柄。
家具はネコ足調の白で統一され、カーテンやベッドは乙女チックのピンクのフリフリ。

引っ越しの際に母親から部屋作りのイメージを聞かれたけど、よく分からなかったからお任せしたらこんな部屋が完成してた。



「凄いでしょ。このインテリアの中で私が選んだものは一つもないの!」

「………だよね。やっぱり」


「やっぱりじゃないでしょー!」



うちに来た時はよそよそしかった友達も時間と共に慣れてきたようで、部屋ではトランプやボードゲームなどして遊んだ。







友達が来たのはちょうどお昼だったけど、窓の外からは17時を知らせる音楽が鳴った。

この地に引っ越してから知ったけど、町中に時間を知らせるチャイムが鳴るのは、海の近くだから。
日没に合わせてチャイムが鳴る時間が違うとか。



チャイムに気付いた友達は、遊んでいたゲーム類の後片付けをして、リビングに居る母に「お邪魔しました」と一声かけて玄関に向かった。

私はみんなと一緒に家の門まで行き、手を振りながらみんなの背中を見送った。



楽しい時間は本当にあっと言う間だった。

谷崎くんは相変わらず口数が少なかったけど、母の手料理やケーキを美味しそうに食べてくれた。