だけど、今日ようやくチャンスが訪れて、愛里紗と二人きりで話そうと思ってこの地に訪れると、偶然にも渦中の男を知るきっかけが訪れたのだが……。
奴は。
奴は………。
最イィ〜悪だな。
残念ながら俺と奴は、性格、風貌、態度と何から何まで違い過ぎる。
奴は愛里紗にヘラヘラとイヤラシイ目を向けやがって。
なんて軽薄な態度を取るんだ。
UFOを見たとか訳わからない話を始めたと思ったら、自信ありげに容姿の自慢話を始めて、愛里紗に失態を指摘されたら、次は傷付いたとか言ってヘラヘラとイヤラシイ目つきでキスを強要しやがって……。
あ゛ーっ~~~!
奴に我慢できない。
愛里紗にチューチュー言って…、ふざけんな。
何であんなにチャラいんだ!
イライラする。
翔は理玖の姿が頭から離れずにカリカリしていたが、先ほど愛里紗の楽しそうな笑顔を思い浮かべたら、不思議と怒りは治まりつつあった。