私は理玖の優しさに耐えられなくなると、翔くんと別れたあの日に相応するくらい、瞳に大量に溜まっていた涙がポロポロ頬へと零れ落ちた。



「いつも塾から送ってくれてありがとう。理玖が傍にいてくれたから安心だったし、楽しくて幸せだったよ」

「お前の身が心配だったから迎えに行っただけ。それに、俺自身も幸せだった」


「理玖のお陰で心強かったよ。それに、デートをすっぽかした上に、音信不通でいっぱい心配かけたのに、何も聞かないでくれてありがとう」

「あの時は泣き腫らした目を見た瞬間、心が心配になったから。丸一日音信不通だったから聞きたい事は山ほどあったけど、何も聞かない方がお前の為になると思ったから」


「………っ。…理玖と二人で行った遊園地、最高に楽しかったよ。お陰で凄く元気が出たよ」

「うん。…俺も最高に楽しかったよ。もっといっぱい連れて行ってあげたかった」



寂しさと苦しさで次々と湧き出てくる涙と理玖の穏やかな優しさに、言葉一つ一つが詰まってしまう。


理玖と過した八ヶ月間は、言葉では伝えきれないくらいに感謝している。
だから、素直な気持ちを伝えるなら本人を目を見て伝えた方がいい。