ーー同日の五時間目の学活の時間。

担任は黒板にカツカツとチョークの音を立てながら、一班から六班までの班を順番に書いていく。
全て書き終えてからチョークを置くと、教卓に両手をついた。



「今月末は待ちに待った修学旅行です。今から自由班を決めましょう。班は人数が平等になるようにクジ引きで決めます。一班は大体五〜六人程度ですね」


「えーっ!クジかよ〜」

「好きな者同士のグループでいいじゃん」

「俺は丸井と同じ班になりたくねーよ」

「鈴木。俺と一緒になるのを嫌がるなって」



谷崎くんと同じ班になれば話せる機会が更に増える。
ご飯だって一緒に食べれるし、グループ写真だって一緒に撮ってもらえる。

私達、同じ班になれるかな……。



教室内でたらたらと不満が飛び交う中、愛里紗は心の中で翔と同じ班になるように懸命に祈る。
だが、神様に祈ってるのは自分だけじゃないとも思った。



クジは廊下側の一番前の人から引いていく事に。


愛里紗は二班の名前欄に翔の名前が入った事を確認。
紙袋は回りに回って自分の番になり、祈りながら手を突っ込む。

ガサゴソとよ〜くかき混ぜて一枚引いた四つ折りの小さな紙をゆっくり開くと、二折目のところで透けた横線が一瞬見えたので、自然と顔が綻んだ。

しかし、紙を広げて目を凝らして見ると、そこに書いてあった数字は…。



【三班】



愛里紗は多大な期待をしていただけに、当てが外れた瞬間ショックを受ける。



ガーン…。
思いっきり期待外れ。
うっすらと横線が見えた瞬間、谷崎くんと同じ二班かと思って喜んじゃったよ。


さすがに私ばかり幸運は続かないか。