「今年の春、愛里紗の家で小学校の卒業アルバムを見たの。愛里紗は好きだった人の話を始めたから好きな人はどの人かと聞いたら、指をさした先には名字が違う翔くんの姿があった。……そこで、愛里紗が好きだった人と、私が中学生の頃から想いを寄せている人が同一人物だって知ったの」

「……駒井さんは中学の時、翔と同級生だったんだね。それで、二人はいつから付き合い始めたの?」


「愛里紗の初恋話を聞いてから、翌日に告白して付き合い始めた」

「それは、愛里紗が昔から翔に会いたがってた事を知って?」


「………真実を知ってから告白したの」



ノグの質問は止まるどころか勢いを増していき、正直に答える咲は心の行き場を失っていく。



ノグはやりきれない気持ちが充満していくと、テーブルに置いていた拳にギュッと力を込めた。


翔が街から姿を消した後、愛里紗はショックで憔悴しながらも、翔だけをひたすら想い続けながら辛い日々を過ごしていたのを一番近くで見守っていたから…。